2002新春講演会
平成14年1月8日に新春講演会を開催いたしました。
新春講演会 平成14年1月8日(火)野田市役所 8階大会議室 |
国家予算を考える 概算ですが、国の予算は80兆円、税収が50兆円、ですから30兆円足りない。足りないから国債を発行して借りますよと。ところが税収が50兆もなくて47兆にしかならない。3兆円足りない。だったら80兆の予算を組むとすれば3兆円最初から足りないので、33兆借りなきゃならない。 ところがみなさん考えて下さい。国の予算は80兆円、日本てこんなものなんです。ある政治家によれば110兆くらいの予算を組まないと今の問題を整備するにはそのくらいかかると言われています。110兆円必要ならばさらに30兆、全部で60兆、それは無理だからどうするのか。 税の問題 日本は税の問題で大幅に変わってそれが政治の再編を呼び起こす可能性がある。そのような考えをする若い政治家が増えているようです。しかも50兆の税収しかないのに、20兆はこれまで使った借金の返済に廻しているのです。そんな自転車操業みたいなことしていてもしょうがないだろ、そんなことで30兆超えないようにしよう。 そして来年度は3兆円ばかり収入が減るようです。その先はどうなるかといいますと人口が減ります。現役世代はもう減っています。当然働き手が少なくなります。税収が減るのは当たり前のことです。ですからその辺を構造的になんとかしようというような考えです。税収は仮に日本の経済が2パーセントの成長を続けたとしても今の80兆くらいの予算を組むとなればやはり30兆くらいを向こう5年くらいは借りていかなければならない。 さて、税についてですが所得税が下がりました。これはみなさんご承知の通り所得税を下げれば消費が促されるからというのが理由です。ところがこれも効果がなかったようです。なにかを変えるときにはどんとなにかが変わらないと変わったという意識がありませんので、それは政治の対応に求められることだと思っています。 あと5年もすれば日本の人口は減るからなんとかその前に借金を返すようにしよう。借金を返すためには消費税33%を100年やらなければ返せない。しかしそんなことはできないから12%くらいでという話が水面下で行われているようです。 一生懸命働きたくなる国か? そして2025年、あと23年後ですがこのときに少子高齢化のピークを迎えると言われています。このときに国民負担率(所得税、消費税、保険料等)は橋本さんが4年前に50%は超えないという宣言をしました。ところがあと23年経ちますと民間の経済研究所によると72.3%になると言われています。つまり100万給与をもらったときに72万がなんらかの形で消えていく。 今、高速道路で議論しています。確かに道は空いている方がいい、走りやすいほうがいいです。しかし今プランニングしている計画が、50年後に成立したとするとその頃には人口が2割減っています。そういうことも政治が考えてやろうとしているのか、少し疑問に思います。 つまり身の丈にあったというのが全然考えられていない。これまでは高度成長とともにとにかくみなさんが働いてくれれば税金をもらってどんどん公共工事をしていった。そしてそれによって経済が活性化された。もうそういうことができなくなった。これからどうすればいいか?この過渡期の10年でどうなるか。お金を沢山取られて福祉がうまくいけばいいのですが、とうてい今の政府・政治家もそのような考えではなくてなにか違うようです。みなさんの考えから政治を変えていくというのもひとつのやり方と思います。 年金について 年金というのは納めれば戻ってくるもんだということですが、私が非常に悔しいのは国会で年金を担当するのが厚生労働委員会。そこでいろいろ議論されています。今後の運営については、まず支給額を減らす、支給年齢を伸ばす、現役世代の負担を増やす、この3つしかない。それを厚生労働委員会で話し合い、5年単位で更新をしていくんです。そして今、60から65にしていこうという話になっています。 当時の寿命というのが、42.5歳でした。55歳で現場で働いていた人はむしろ長生きした人です。その人はもう少し長生きすると年金がもらえたわけけです。ところが今、60歳で辞めて80歳まで寿命があるのにその負担が現役世代でまかなえると思いますか?そのような議論はまったくされないのが不満です。 電話のお話をします。もともとは100年くらい前に重要なところに設置されていた電話ですが、普及し始めてたのが50年前と言われています。50年間かかってやっと5万台付きました。ところが6年前に携帯電話を許認可したためにたった5年間で7千万台売れました。世の中に7千万台、5年間で普及する品物はあるでしょうか。携帯電話というのは10年前にはほとんど普及していなかった。それが7千万個売れるんですよ。なにがいいたいのか。 株をやられている方がいると思いますが、株の世界に「国策に売りなし」という言葉があります。つまり国がこうやろうとするところに多少の景気、経済が動くんだということです。携帯電話を認可したらわーっと売れた、百貨店も何社か潰れるところがあれば儲かる。なにを意味しているのか。人口も減る、購買力も減る。子供も昔200万人も生まれたのが、今では130?140万人しか生まれない。6、7掛しか生まれない。昔のようにモノが売れるわけがない。7掛けしか売れないことになります。これからどういう日本になっていくかといえば消費者が決めることなんです。 資産を持って死ぬということ 今、一人3,500万の資産を持って死ぬと言われています。別に子供に残すこともない。自分が一生懸命働いたものを自分の人生の中で使い切ればいいのです。しかし、将来が不安だ。政治の責任でもありますが、もっといい思いを老後にしようと思っているうちに病気で死ぬこともある。 5,000万の資産があれば2,000万くらいは現金で現役の時にあげる。そして亡くなったときは家屋も含めて資産を没収すると。そのようなやり方を一部の自治体がやっているようですが、もう自治体レベルではなくて銀行の生きる道というのは中小企業のもう担保ではなくて人を担保として貸し付けるべきかと。 できれば死ぬときはゼロにして死にたいと思うんです。でもそれは難しい。難しければそこに工夫をしなければならない。私は冗談でいいますが、私も松下幸之助も逝くところはいっしょなんだから、だからそんなに恐れることはないよ。と言ったりします。 今、日本に個人資金が1,400兆円あるといわれています。2年前は1,200兆円でした。1年で100兆円増えるんですよ。一人あたり80万円増えるんです。80万貯金が増えているんです。でも使わない。なぜか、今言った「不安」なんです。そして1,400兆円の7割が60歳以上の人がやっぱり持っているんです。だからこういうお金をなんとか自分の生きている間に、楽しみに使えるような国にして、そして稼いだものはどんどん使う。アメリカはご承知のとおり、1/3は株、1/3は国債等、そして1/3は預金。ところが日本は7%しか株を持っていない。 現役世代1年で250時間働くのですがそれを40年やって10万時間しか働かないんです。60歳で定年となりリタイヤして寝る睡眠時間を10時間として14時間起きているとします。それを365日続けて80歳まで生き続けるとします。すると10万2,200時間になります。余暇のほうが数段ウエイトを占めるとするとそれを楽しませるものを提供するというビジネスも考えられます。 最後になりましたが経営の神様と言われました松下幸之助さんのお話をします。幸之助先生がボクの知り合いの隗始塾の者と京都に行きました。「おい、あの山はボクの山だよ」と言われました。松下幸之助、山の1個や2個はね、と思ったそうです。そしてお昼頃になって「おい、蕎麦でも食おうか」と言って蕎麦屋に入ったそうです。「この蕎麦屋はボクのだよ」、蕎麦屋の1件や2件はねぇ、と思ったそうです。帰りのお勘定の時に代金を幸之助先生が払った。 長いお時間、ご静聴ありがとうございました。 |